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【ストーリー重視派必見】心にグッとくる漫画3選

【ストーリー重視派必見】心にグッとくる漫画3選

こんな人におすすめ

・えちシーンだけじゃなくストーリーがグッとくるBL漫画を探している

・読んだ後に余韻が残る、また読みたくなるBL漫画を探している

【ストーリー重視派必見】心にグッとくる漫画3選

・それでも やさしい恋をする ヨネダコウ

・ラブネスト 南月ゆう

・メロンの味 絵津鼓

それでも やさしい恋をする ヨネダコウ

出口晴海が好きになったのは、小野田良。三歳年下のストレート。気がつくと、好きになっていた。友達でいい。そう思っていたのに、どんどん好きになっていった。素直になれなくて、不安になって、ささいなことに幸せを感じて、言えない言葉がたくさんたまっていって──誰かを好きになる切なさと幸せがここに。 ※本作は『どうしても触れたくない』のスピンオフ作品です。

根っからのゲイだけど、それを口外せずにワンデイの関係がいるくらい割り切って明るく生きている出口。話すといい感じだけど地味で優しいノンケのメガネ小野田。友達の紹介をきっかけに、仲良くなって3年の月日が流れ、お互い居心地のいい関係が続いていた。

小野田が彼女と別れたと聞いて、小野田への気持ちを自覚する出口。社内の男子、嶋くんを好きになりかけてる、でもその男の子は課長の外川といい感じになっていて、始まる前から失恋している…そんな相談をきっかけに、男を好きになるってことは俺にもチャンスがあるかも…出口の気持ちにブレーキが効かなくなってくる。

その日のうちに小野田家に行き「だったら俺と付き合ってみる?」の自然な告白を装うも、小野田には冗談に聞こえてしまって…告白が失敗したと思い「もう帰る」と出ていく出口を何か様子が変だと追いかけて、本気で言ったのか問い詰める。振り返ると、メガネを変えたことに一番に気づいてくれたり、優しいとか懐が深いから自信持てとかたくさんの優しい言葉をもらっていたんだと気づく小野田。

本音で告白されるも今までその気持ちに全く気づかなかった小野田は気持ちが追いつかないけど。前向きに検討させて欲しいとお願いする。普段強気で冗談ばかり言う出口が、繊細な心の動きが見えたり、素直に好意を寄せてくれる言動を見せると「詐欺だ」と思えるほど、そのギャップを可愛く思えてしまう。

付き合うと言うことは相手を1番大切に思うこと、自分の気持ちが出口の気持ちに追いついているのか、男同士の体の関係もわからないことばかりと悩みに悩んでいたところで、自分のことを好きだった3年間のうちに出口にセフレがいたことが発覚。懐だけは深いのにモヤモヤとした感情が生まれ、そんな自分が嫌で…少し距離を置く2人

最後は気持ちが通じ合う。その後のやり取りや言動で出口と同じ熱量になるくらい今度は小野田っが出口を大好きになっていく…。

普段強気で「奢れよな」が口癖の、冗談ばかり言っている出口の小野田に向ける一途な気持ち、いじらしさ、可愛らしさのギャップにハマること間違い無いです。小野田家に行き、ダサい日めくりカレンダーも、”小野田のもの”だから持って帰ろうとする一場面でも出口を愛おしく思ってしまいます。付き合ってからは、同姓にモテまくりでかっこいい出口に嫉妬(懐が深いからと自分に言い聞かせて、あまり態度には出しませんが)する姿や、出口と初めてのえちシーンで「何もしなくていい」「俺が全部やるから」とネコの出口の健気さに、小野田の好きな気持ちがどんどん大きくなっていくところが良きです。好きな人が自分を好きってこんなに幸せなことなんだ、と改めて気づかせてくれる作品です。

ラブネスト 南月ゆう

引っ越し先を探す間、行きつけのゲイバーのオーナーの別宅に住むことになった穂積匡人。だがそこには思わぬ先住者・旭がいた。几帳面な匡人とは正反対の、ズボラで図々しい男との暮らしはすぐにイライラがピークに。何より、旭といるとなぜか昔の恋人を思い出してしまうのが嫌だった。しかし旭はそんな匡人にかまわず、どんどん距離を詰めてきて……!?大人気作品「チェンジワールド」スピンオフ!

ひょんなことから、バーのオーナー、ナルの別宅を借りて住む事ことになったゲイの几帳面、匡人。でもそこにはすでに、ノンケのズボラ建築士、旭が住んでいた。

部屋のゴミを捨てない旭にイライラが募り、話し合うとゴミを捨てる交換条件で旭の晩酌に付き合うことを提案される。

それを受け入れ晩酌の回を重ねるごとに、お互い仕事に関係ないからこそ、気軽に愚痴れる関係に少しずつ居心地が良くなっていく。

匡人はノンケだった元彼に裏切られた過去を持ち、ノンケの旭と関わるたびに元彼がチラつく。忘れたくても忘れられず10年引きずる匤人に言った旭の言葉が、匡人の気持ちを軽くしてくれ、元彼を思い出として消化できるようになる。

旭も過去に妻が不倫、妊娠をして離婚した経験を持ち、心に穴が空いた状態のまま数年が経っていたが、匡人が作ったご飯を食べたり自分への好意を隠さない匡人の存在が大きくなっていく。旭への気持ちを認めざるを得なくなった匡人は振り向かせるために奔走。旭も匡人の気持ちと向き合おうとしていた。

そんな矢先、旭の弟、恒生が海外から一時帰国することになる。幼少期に父の酒乱で一家離散し、歳の離れた恒生を一人前にすることが旭の夢だった。そんな大事な弟は、匡人と面識があり、匡人の意地悪な言動がきっかけでその当時の恒生の恋人と別れることになった過去があった。お互いそれを覚えていて、罪悪感に苛まれる匡人と兄をこんなヤツに渡せないと言う恒生との攻防が始まる。

旭にとって恒生の存在の大きさ、その大事な恒生を傷つけた過去を旭も知っている…そんな複雑な状況や心情を抱えながら一旦は離れる決意をする。でも周りの応援や自分の気持ちやお今まで旭が自分に向けてくれた気持ちを思い返し、過去の自分と向き合い、それでも旭のそばにいたいと行動してく匡人を応援せずにはいらない作品です。

普段は飄々としていて相手に本音を見せない匡人が器が大きい豪快な旭には素直に自分の気持ち打ち明けられるところが微笑ましいです。なんでこんなズボラで無精髭を生やしたおじさんに…と気持ちを認めたくなくても、旭に振り向いてもらえるよう頑張る匡人がとても愛おしく人間味があります。普段はタチなのに、大好きな旭には受け側になるところ、「へんになっちゃうの、あんたにしか見られたくない」など健気なギャップが良きです。旭の過去のエピソードからも、器デカすぎ、懐深すぎで見返りなく相手を思えるキャラにどんどんハマっていきます。謎のバーのオーナ、ナルが色々と仕組んでいて事態が急展開するのも、おもしろいく、”チェンジワールドの”有村先輩と要祐も出てきていい感じにアシストしてくれるのも良き。 一人一人のキャラの背景が濃厚で、最後の伏線回収も、見事。

続編のラブネスト2ndも一気見したくなるはずです。個人的にナルが主人公のエンゲージも激推しです。

メロンの味 絵津鼓

「俺 ナカジョーくんがいい!」 ライブハウスで働く中城と常連客の木内。ふたりの同居は急だった。木内は同棲していた彼女と別れたばかりでしばしの寝床を探していたとのこと。さらには人肌がないと眠れないから一緒に寝たいと言う。自分はゲイだと明かして断ろうとする中城。だが、「いいよ!」と言い切られてしまい…

ゲイの中城とノンケの木内が日々淡々と一緒に暮らす中で知り合いからお互いを支え合う存在になっていくまでを丁寧に描いた作品。

自分が元彼や母親など一番大切な人に大切にされない中城。

中3でバンドを組みデビュー曲がその年の代表曲となるくらいヒットするも次の曲からは泣かず飛ばず、そのまま10年何も生み出せない自分に苦悩する木内。

中条はひょんなきっかけから、木内をそのバンドのボーカルだと知っていると告げる。

自分を知らない方が都合がいい同居相手にその事実を知られ、肩の力が抜け本音をポロポロと吐露していく木内。自分ではコントロールできない心の病を抱えながら、ただそばにいてくれる中城と日常の中で小さな幸せを見つけることが生きてると感じる。中城も大切にされる感覚、自分の身近な人で一番優しく、自分を思ってくれる木内に惹かれていく。

筆者はBL本で心の病を扱った本を初めて読みました。モデルとなった実在の方がいたのかと思うほど、人物描写やセリフなどがリアルで、あっというまにラストまで読み切ってしまいました。内容的にはヘビーな題材ですが、2人の淡々とした日常生活の中で、明るい木内の斜め上をいく発言に落ち着いた中城がつっこむという軽やかなやり取りで展開されます。

木内の苦悩を抱えながら、それでも中城との生活で日々の幸せを見つけては、現実の自分に幻滅したり、頑張りたくても頑張れなかったり、気持ちの上がり下がりが繊細に描かれています。

中城に対して好意を持って「好きだよ」と伝えたり、「一緒に寝よう」と距離なし発言をする木内に特別な感情を抱かない中城も、元彼トラブルの後に優しく支えてもらい二人の距離がグッと近づきます。

本音を吐露できる相手が一人でもいてよかった、自分の大切な人に大切に思われる感覚を味わえてよかった。不器用な2人が苦悩し、支え合いながら気持ちを育んでいく優しい時間が流れています。

BLという枠から出ても、ストーリー性で戦える名作漫画です。えちシーンは少なめなので、ストーリー重視の初心者の方にもおすすめです。