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囀る鳥は羽ばたかない ネタバレ徹底レビュー

囀る(さえずる)鳥は羽ばたかない   ヨネダコウ

こんな人におすすめ

・全然結ばれない舎弟関係2人…おあずけを食らった後の濃厚えちシーンが見たい方。

・長編B Lに挑戦したい方

・何度も読み返したい名作に出会いたい方【圧倒的高評価レビュ シーモア4.8「5段階中」】

ドMで変態、淫乱の矢代は、真誠会若頭であり、真誠興業の社長だ。金儲けが上手で、本音を決して見せない矢代のもとに、百目鬼力が付き人兼用心棒としてやってくる。部下には手を出さないと決めていた矢代だが、どうしてか百目鬼には惹かれるものがあった。矢代に誘われる百目鬼だが、ある理由によりその誘いに応えることができない。自己矛盾を抱えて生きる矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼。傷を抱えて生きるふたりの物語が始まる──! 

コミックシーモアより引用

普通のBLヤクザ漫画とはレベルが違うほど、ストーリーに深みにがあります。裏社会の構造が綿密設定、業界用語が多様され、所々出てくる義理人情ストーリーも胸熱です。
矢代はお金を稼ぐことに長けていているけれど、私生活では男の便所といわれるほど、無差別に体の関係を持つビッチ。しかも痛くしないと感じない究極のMネコ。極道に身を置いているが、墨は入れない…自分の組は持ちたがらない。そんなクラゲのようにふわふわと極道の世界を渡り歩いている。男も惑わせる魅惑の身体、適当な会話をしているように見えて実は頭がキレるそして意外と義理堅い性格。もう両極端すぎる矢代の魅力が巻を読み進めるごとに増して課金が止まりません。

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人間どこか欠落しているところがあるほど、愛おしさもますよね

ひょんなことから百目鬼が矢代の付き人兼用心棒なってから、百目鬼の過去を知り、妹との関係修復の橋渡しになって(本人はそんなつもりないが)矢代なりに百目鬼が極道に踏み込まないように、一線を超えないように突き放していく。一方、百目鬼が妹の一件もあり愚直なまでに矢代という男に惹かれ側に置いてほしいと願う。複雑な過去を持っているもの同士がお互い特別な存在であることは認識しつつも、百目鬼が慕う、矢代は気持ちに自覚のない展開が続きます。

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でも矢代は性欲に忠実なのでそこそこ二人のしゃくりシーンなどは出てきます。

百目鬼が勃起不全だったことに興味があり、しゃくっても勃たない百目鬼は矢代にとって色恋沙汰の心配がなく面倒臭くない存在。でも百目鬼の気もちに変化があり、いつの間にか不全が治り、百目鬼も自分の気持ちを自覚する。熱を向けられる矢代。

部下には手を出さない矢代に好意がバレたら、矢代の近くにいられなくなる…そう思っている百目鬼はどう接すればいいかわからなくなるが、気持ちを自覚してからは気持ちが抑えられず、矢代の指示(手コキ)以上の行為を展開。どうでもいい人とは体の関係をもてるけど、特別な存在の百目鬼にはかなり臆病、好きになるという感覚が欠落しているけどやっぱりどこか求めてしまう矢代も言葉では暴言を吐いたり拒否をしつつも、仕草や描写で百目鬼を受け入れ愛しく思っていることが伝わってきます。

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5巻はBL界の歴史に残るえちシーン

全てはこの5巻を読むための1巻から4巻といっても過言ではありません。でもいきなり5巻を読んではダメです。今までの伏線回収もあるのでじっくり1巻から読んでほしいです。

とりあえず百目鬼が勃ったことを名目にセックスしようという流れになります。(その前に興奮するシーンがあり、今矢代はやりたい状態)百目鬼はこれ以上深い関係になると矢代の側にいられなくなると思い拒否。ここで矢代に自分の気持ちを伝えます。服を着たままシャワーを浴びるほど動揺して自分の気持ちが整理しきれない矢代、百目鬼を受け入れるということは今までの自分のアイデンティティを壊すこと、でも同時に百目鬼を可愛い、失うのが怖いことも告げる。矢代の気持ちを聞いた百目鬼の気持ちは抑えられず抱きしめキスをしながら濃厚なえちシーンが展開されます。終始拒否モードの矢代ですが、身体を丸ごと自分のものにするような百目鬼の舐め回しに段々と懐柔され、求めていきます。

今まで痛くしないと感じないと言っていた矢代が、自分を大切にされることで快感を得る姿に全読者が胸熱だったと思います。

ここで絆されると思いきや、すんと我に戻った矢代。やはり百目鬼を極道の危ない世界に踏み入れさせないと、突き放します。(物語は大詰めで黒幕が誰かわかり、銃も持ち出す危ない展開)。最終的には百目鬼が追いかけて矢代の手助けをして二人とも無事なのですが、抗争の代償で矢代は片目の視力を失うことになります。入院した矢代が記憶喪失のふりをし、百目鬼のことを覚えていないということにして、極道の世界と縁を切らせようとします。百目鬼は極道の世界だけが矢代とつながる手段だと思っているので納得行きませんが、兄貴分の七原の言葉で何か思うところがあったようで、百目鬼も矢代から離れようと決意します。

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不器用すぎる愛情表現が矢代の愛しさを倍増させます。

一度物語は6巻で終結、7巻から新章へ突入します。

7巻の舞台は4年後。闇カジノのオーナーになった矢代と百目鬼が運命の悪戯で引き寄せられます。久しぶりにあった百目鬼は桜一家という別の血筋の極道になっていることを知る矢代。足を洗ったと思っていたのに…動揺を隠せません。偶然同じ人物を追うことになり、桜一家の指示で矢代の監視と護衛役に百目鬼がつくことになります。行動を共にするようになり、昔の感情が徐々に蘇ってくる二人。古くから矢代と情報交換件強姦セフレで繋がっている井波刑事とまだセフレなことも知り、苛立ちが隠せない百目鬼。

「ひどい扱いをされるのが好きでしたよね」井波が強姦セックスしていることを知っている百目鬼は矢代に対して強引に下半身に手を伸ばします。それはもう冷徹に。

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他の人に行くなら、自分がいっそひどい扱いをすれば、自分の元にいてくれるだろうか…。。そんな悲痛な百目鬼の気持ちが聞こえてきそうです。

拒否をしながらも久しぶりに百目鬼に施され、矢代はあることに気づきます。

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百目鬼にしか感じない身体になっている

程なくして井波経由で、百目鬼も矢代が自分以外では勃たないことを知ります。

感情を向けると突き放す矢代が逃げないように感情を押し殺してきた百目鬼が崩壊し、その事実の理由を問い詰めます。

「どうしてあんなによがっていたのか」

「単に体の相性がいいだけだろ」

言い合いが始まると、矢代は百目鬼に対して自分でも気づかない嫉妬の言葉をぶつけます。愛おしさ、もどかしさ、自分を求めてほしい…色々な感情が渦巻いている百目鬼。

「ひどいのが好きでしたよね」

「…好きだよ」

本心じゃないのを見透かしたように切ない気持ちでキスをするところから5巻以来の濃厚シーンが展開されます。これまでの冷徹さを装った感じはなく丁寧な前戯シーンから描かれます。

矢代に「これはなんのセックス?」と尋ねられると「節操がないのでただやりたいだけ」と答える百目鬼。

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んなわけあるかー!矢代のそばにいるための絶妙な言い訳…だよね?

百目鬼をどうにも出来ないのにどうしょうもなく感じてしまう矢代。自己矛盾を感じながら自分の感情にとことん鈍い矢代でも、百目鬼に対する気持ちを自覚し始めていた…。

10巻が待ち遠しいー!